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医療法人社団なかよし会日吉メディカルクリニック

日吉メディカル

耳鼻咽喉科の主な病気

中耳炎

耳は外耳、中耳、内耳と3つの区画に分かれています。
中耳の部分に菌などが侵入して炎症を起こしている状態が中耳炎です。
生後半年から2歳くらいをピークとして5歳くらいまでは非常に多い病気です。
中耳炎には2種類あり、急性中耳炎と滲出性中耳炎があります。
急性中耳炎の原因としては、風邪や大量の鼻水、鼻すすりなどがあります。
耳が痛い、耳垂れ、発熱、難聴、耳をよくさわるなどの症状があります。
一方、滲出性中耳炎の原因としては、急性中耳炎からの移行や鼻すすりの癖、アレルギー性鼻炎などの鼻水が長期間続いている、急激な気圧の変化(飛行機)などがあります。
耳の痛み、発熱等を伴わず進行し難聴が出現する事が多い疾患です。
呼んでも振り向かない、返事をしない、耳をさわる、テレビの音を大きくするなどがみられた場合は注意が必要です。
中耳と鼻の奥をつなぐ、耳管と言う管を通して行われる滲出液の排泄等が障害を起こし中耳腔に浸出液がたまることで起こります。子供の難聴の原因で一番多い疾患です。たびたび滲出性中耳炎を繰り返す場合には、鼓膜にチューブを入れる手術がよく行われます。

外耳道炎

外耳道とは耳の穴から綿棒が入るくらいまでの部分を言います。
この部分が、耳掃除などで傷つき菌が入り炎症を起こした状態の事を言います。
症状としては、耳痛、耳だれ、耳鳴、難聴などが見られます。
治療は耳の消毒や抗生剤、鎮痛剤での薬物療法となります。

耳鳴症

耳鳴症は、外からの音がないのに音が聞こえる症状です。
耳鳴りの人に聞こえる雑音には、ジー、キーン、ザー、ヒュー、シューなどがあり、難聴を伴っていることが多いです。
耳鳴りを訴える患者さんの多くが難聴を伴っています。
ストレス、大きな音を聞く、特発性難聴、加齢性難聴、中耳炎、メニエール病、脳腫瘍、脳動腫瘤などが起こりうる原因となります。
ストレス解消や睡眠、音響療法、心療療法、薬物療法などが対処方法となります。

難聴

難聴とは音や話し声が聞こえにくい状態の事を言います。
難聴は中耳炎や鼓膜の損傷などで外耳から中耳にかけての障害が原因と言われる伝音難聴と内耳より内側の感音器の障害によって起こる感音難聴、伝音難聴と感音難聴の両方の症状がみられる混合性難聴の3つに分類されます。
伝音難聴は外来処置や投薬、手術療法によって回復させることができます。
感音難聴のうち急性のもの(突発性難聴など)は治せるものもありますが、加齢によって聞こえなくなる難聴(老人性難聴など)や先天性の感音難聴は治すことは困難です。このような場合は補聴器が有効な手段ですが、最近では人工内耳の手術が行われる場合もあります。

メニエール病

メニエール病は別名「内リンパ水腫」と言われ、内耳にあるリンパ液が増えて、むくみを起こした病態の事です。
内リンパ液が増えすぎるのは、ストレスが関係していると考えられています。
症状としては、回転性のめまい、耳鳴り、難聴、吐き気、冷や汗などがあります。
めまいの持続時間は数十分から数時間と比較的長いのが特徴です。
ストレス、疲労をためず、良質な睡眠をとるよう日頃から気を付けましょう。

めまい

めまいは大きく分けて3つに分類されます。
自分自身や周囲が回転する感じがして目が回る「回転性めまい」、体がフワフワしてふらつく「浮動性めまい」、目の前が真っ暗になる、または意識が遠くなる「失神性めまい」に分かれます。
回転性めまいでは、耳鳴りや耳閉感、難聴を伴う事が多く耳の異常が原因で起こることが多いです。
浮遊性めまいでは、頭痛や手足のしびれ、麻痺を伴う場合、脳の病気を疑って主に検査をします。
失神性のめまいは、主に血圧の変動が原因でおこります。
全体の約75%が耳の病気、約20%がその他の原因(低血圧、貧血、低血糖など)、約5%が脳の病気によるめまいと言われています。

副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎とは、鼻漏や鼻詰まりなどの副鼻腔炎の慢性的な炎症症状が12週間以上消失しない状態です。
「蓄膿症」とも言われています。

【原因】

風邪によるウイルスや最近の感染によって鼻腔に炎症が起こります。
鼻腔と副鼻腔はつながっているので、副鼻腔にも症状が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎です。
急性副鼻腔炎による副鼻腔粘膜の炎症が長引いた場合、本来膿を排出する機能を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔を塞いでしまい、さらに炎症が治りにくくなると言う悪循環が生じます。この状態が慢性副鼻腔炎(ちくのう症)です。
ひどい場合は腫れた粘膜が鼻腔まで広がりポリープ(鼻たけ)になったりします。
その他には、ハウスダストや花粉によるアレルギーや、喘息などでも副鼻腔炎を治りにくくする場合があります。鼻中隔弯曲症なども発生因子となります。

【症状】

鼻腔および副鼻腔粘膜の腫れ
鼻閉
黄色で粘りのある鼻汁
眼、頬、穿頭部周囲の重い感じ
嗅覚障害

鼻中隔弯曲症

鼻中隔は骨および軟骨とそれを覆う粘膜から成っています。小児には少ないですが、多くの成人の鼻中隔は程度の差はありますが弯曲しています。日常生活に影響がなければ、多少曲がっていても特に問題はありません。
鼻閉や鼻血が出やすいなど日常生活に支障をきたす場合には手術をするなどの治療が必要となってきます。

鼻出血

いわゆる「はなぢ」です。
子供の原因としては、鼻炎、鼻をいじる、外傷、のぼせなど鼻の粘膜が弱っている状態で起きる事が多いです。
大人の原因としては、高血圧、糖尿病、肝臓病、腫瘍など血管が破れやすい状態など、鼻以外の全身的な問題で起こる事が多いです。
洗面器いっぱいほどの量がでたり、30分以上止まらない場合、直ぐに止まるが数時間後や数日度に何度も繰り返し出血がする場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

【鼻血が出た場合の対処法】


座った状態で顔をやや下向きにし親指と人差し指で小鼻(鼻の柔らかい部分)を5~10分間しっかりとつまんで押さえてください。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、透明のさらっとした鼻水、鼻づまり、発作的で連発するくしゃみの3つの症状を主とするアレルギー疾患です。人の鼻では侵入してきた特定の物質を自分以外の物質(異物)と判断すると、上記のような症状を起こします。アレルギー性鼻炎には、一年を通じて起こる通年性アレルギー性鼻炎と花粉の季節に起こる季節性アレルギー性鼻炎があります。ただし花粉では鼻炎の他にも結膜炎など鼻以外のアレルギー性炎症も起こることが多いです。

【予防】

原因物質との接触を断つことが一番の予防となります。
ハウスダストやダニの場合・・・寝具など掃除機でほこりやダニを吸い取る、換気など
花粉症の場合・・・晴れた日や風の強い日の外出をなるべく控える、窓を閉めておくなど

咽頭炎

咽頭炎とはのどの炎症の事でウイルス感染によるものがほとんどですが細菌感染による場合もあります。
症状はのどの痛み、鼻水、軽い咳、首のリンパの腫れなどです。
ウイルス感染の場合には抗菌薬は使用しませんが、細菌感染の場合は使用する事があります。
急性の咽頭炎の場合は、うがい薬やトローチなどで喉を清潔に保ち炎症を抑え安静にすれば治ります。
慢性化した場合は、同様に清潔に保ち炎症を抑えますが、抗菌薬は長期で処方すると副作用がでる事があるのでネブライザーを用いる方法が有効です。

扁桃炎

扁桃炎は風邪をきっかけとして起こります。寒気と高熱を伴い、扁桃腺が赤く腫れたり表面に白いうみが付着していることが多々あります。白い海は細菌感染が原因で起こるため抗生物質による治療が有効です。
扁桃炎は小児に多く高齢者では扁桃腺が萎縮するためにほとんどありません。
扁桃炎は、高熱が出ても通常3~4日で解熱することが多いです。
2歳までの扁桃炎は大部分がウイルス感染によります。主なウイルスはRSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンンザウイルス、EBウイルスです。
3歳以上になると、溶血性連鎖球菌による細菌感染が増加してきます。しかし3歳くらいではまだアデノウイルス、EBウイルスによるウイルス感染がとても多いです。

声帯炎

声帯炎とは声帯に炎症が生じて喉が痛んだり、声がかれたりする症状です。重症になると声が出せなくなるケースもあります。風邪のほか、喫煙や飲酒、声の出しすぎで声帯に負担がかかった場合に生じます。一般的には風邪が治れば元に戻り、休息をとれば治ります。吸入やうがいによる加湿を行っても治らない場合は耳鼻咽喉科を受診して下さい。

声帯ポリープ・結節

声帯ポリープとは声帯に膨らみ(ポリープ)が出来ることで、声帯がうまく閉じずに発声しにくくなる病気です。
声を酷使したり、かぜや喫煙などで炎症を起こす事などで起きる疾患です。大声を出す機会が多い方は注意が必要です。左右の声帯の片側に出来るケースが多いです。
声帯結節とは声帯中央縁に結節と言うペンダコの様な白くて硬い組織が出来ます。
多くは両側にできます。
症状や原因は声帯ポリープと同様です。

咽頭腫瘍

咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれています。各咽頭に生じる良性または悪性の腫瘍を咽頭腫瘍と言います。
上咽頭では上咽頭繊維腫など比較的良性のものが多いが扁平上皮癌、腺癌、悪腺リンパ腫真の悪性腫瘍もあります。中咽頭癌ではのどの痛み、飲み込みにくさ、首のしこり、喉の違和感などの症状があります。
下咽頭にできた癌を下咽頭癌といいます。頚部のリンパ節に転移しやすいという特徴があります。

耳下腺炎

流行性耳下腺炎(おたふく)は2~3週間の潜伏期を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症です。
通常は1~2週間で軽快します。
反復性耳下腺炎は、おたふくかぜとは全く違う病気で、耳下腺内の唾液管のつまりや、口腔内細菌の耳下腺への逆行性感染が原因となります。

【流行性耳下腺炎(おたふく)の特徴】

・両側または片側が腫れる
・熱は出る場合とでない場合がある
・痛みが強い事が多いが、軽いこともある
・治癒までに1週間くらいかかる
・人にうつる
・一生に一度しかかからない

【反復性耳下腺炎の特徴】

・片方だけ腫れる
・熱はでない
・痛みは軽い
・2~3日で治る
・人にはうつらない
・何度も繰り返す

耳下腺腫瘍

耳下腺とは耳の下にある唾液を作る臓器です。
唾液腺腫瘍の80%~90%は耳下腺と顎下腺に発生します。
耳下腺の中を顔の筋肉を動かす顔面神経が走行しています。この部分に生じる腫瘍を耳下腺腫瘍と言います。
耳下腺腫瘍の治療は、良性・悪性にかかわらず原則として手術的切除です。

顎下腺炎

左右の顎の下に唾液を分泌している顎下腺という組織があります。
舌の下側に唾液腺の出口がありますが、ここからウイルスや細菌が入り込み唾液分泌時に顎下腺の腫脹と痛みが起こります。
他の原因としては唾液の管に石(唾石)が詰まっていることがあります。特に食事の時に顎下腺が腫脹し、繰り返し起こります。
また腫瘍のため腫れが続くこともありますので、腫れや痛みが続く場合には耳鼻咽喉科を受診しましょう。

顎下腺腫瘍

顎下腺は耳下腺に次いで2番目に大きい唾液腺組織です。
顎下腺腫瘍では良性が約45%、悪性が約55%です。
しこりが急に大きくなる場合や、痛みを伴う場合は悪性の可能性があります。
また、顔面麻痺を伴う場合は悪性腫瘍が強く疑われます。
悪性でも良性でも薬で治すことは出来ませんので手術が必要となります。

甲状腺腫瘍

甲状腺腫瘍の8~9割は、治療の必要のない良性のものです。
悪性の場合でも、他の癌に比べ進行が遅く治りやすいものが多いのが特徴です。
甲状腺の腫れ方には、全体がはれるもの(バセドウ病、橋本病など)と部分的にしこりのように腫れるものがあります。

甲状炎

細菌感染によって炎症を起こし、甲状腺に痛みがでる「急性化膿性甲状腺炎」、原因がわかっていませんが、甲状腺に腫れや痛み、しこりなどが起こる「亜急性甲状腺炎」、甲状腺機能の異常きたす「橋本病(慢性甲状腺炎)」の3つが甲状腺の炎症を起こす病気です。

頸部リンパ節炎

人の首には約200個のリンパ節が存在します。
咽頭炎や扁桃炎、虫歯や歯肉炎などの際に頸部リンパ節も腫れることがあります。
ウイルスや細菌などによる急性感染性リンパ節炎が最も多くみられます。
頸部リンパ節炎の中にはEBウイルスが原因の伝染性単核球症や悪性リンパ腫などもあります。

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